こんにちは。ぶ~ちゃんです。
先日の「甲州街道歩き旅」で『日野本陣跡』に立ち寄りましたが、ちょうど休館日に当たってしまい内覧することができませんでした。
この度、開館日に改めて足を運びました。
合わせて、土方歳三のお墓のある石田寺、万願寺の一里塚を見てきましたのでご紹介したいと思います。
日野宿本陣
概要と歴史
「本陣」とは街道沿いに設けられた江戸時代の宿駅で、大名、旗本、役人ら高位の客が宿泊するために建てられた宿泊施設です。
現存する「日野宿本陣」の建物は、150年以上前(1863年建築)に建てられた、貴重な文化遺産になります。
特に大きな宿場だったわけではありませんでしたが、甲州街道の重要拠点となっていたようです。
嘉永2年(1849)に大火で焼失しましたが、日野宿の名主を務めていた佐藤彦五郎によって建てられました。佐藤彦五郎は、新選組の副長である土方歳三の義兄であり、新選組の幹部も多く訪れたことで知られています。
甲州街道沿いにに現存する本陣は3か所(小原宿本陣、下花咲宿本陣)あり、そのうちの一つとなります。また、都内に現存する唯一の本陣であり、東京都指定史跡と日野市指定有形文化財です。
建物
本陣は、木造平屋建てで、切妻造瓦葺きの屋根をしています。
正面には式台があり、玄関には唐破風が付いています。内部は広々としていて、客室、座敷、台所などがあります。
門前
冠木門の外にある、明治天皇が行幸の際に小休止された記念碑です。
「明治天皇日野御小休所趾及建物附御膳水」と刻まれています。
「天然理心流佐藤道場跡」碑です。
ここにあった道場で、新撰組で主要な働きをした、近藤勇、土方歳三、沖田総司、井上源三郎ら人々が出稽古に来ていたそうです。
冠木門~土間
風情漂う冠木門を抜けて敷地内に入ります。
格式漂う建物が現れます。式台を横目に入口のある土間の方に誘導されます。
土間
広々とした土間には、さまざまな展示品が並べられています。
広間
土間から上がったところは18畳の広間です。
ガイドの方に、佐藤家と新選組の歴史について分かり易くご説明頂きました。
玄関の間
「乃武乃文」柳田正斎という文人が佐藤彦五郎に贈った額です。文武両道の意味を表しています。佐藤彦五郎という人物を表現したものです。
式台
玄関の間から外を見ると、一段低くなっている板敷きの「式台」と言われる間があります。
ここからは身分の高い人々が出入りしていたようです。
式台付き玄関は本陣の格式の高さを表します。
控えの間
中の間、下の間
南縁
綺麗な庭を眺めることができます。
納戸
その他
基本情報
開館時間
9時30~17時00分(入館は16時30分まで)
休館日
休館日毎週月曜日(祝日にあたる日はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料
- 日野宿本陣
大人(高校生以上)200円
小人(小・中学生)50円
- ふるさと歴史館共通観覧券(本陣+歴史館)
大人(高校生以上)300円
小人(小・中学生)70円
※身体障害者手帳、療育手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳の提示で本人と介助者1名は無料。
地図
新選組のふるさと歴史館
新選組・幕末維新・甲州道中日野宿などに関する展示・調査・研究を行っています。
館内には、新選組の資料や遺品、甲州道中日野宿の資料など、約1,000点が展示されています。また、新選組の歴史や幕末維新について学べる講座やイベントも開催されています。
館内は静かで、ゆっくり、じっくりと資料を確認できます。
書籍や他では入手できないオリジナルグッズの販売等も行っていました。
※展示室内は写真撮影禁止です。
基本情報
開館時間
9時30~17時00分(入館は16時30分まで)
休館日
休館日毎週月曜日(祝日にあたる日はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料
- 新選組のふるさと歴史館単館券
大人(高校生以上)200円
小人(小・中学生)50円
- 日野宿本陣共通観覧券(歴史館+日野宿本陣)
大人(高校生以上)300円
小人(小・中学生)70円
※身体障害者手帳、療育手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳の提示で本人と介助者1名は無料。
地図
石田寺(せきでんじ)
境内には、新選組の副長土方歳三の墓があります。
石田寺の土方歳三の墓は、境内の東側にあります。墓石は、高さ約1メートル、幅約60センチメートルの黒御影石で、戒名「歳進院殿誠山義豊大居士」が刻まれています。墓石の周りには、花や線香が供えられており、多くの参拝客が訪れています。
本堂です。
土方歳三の兄の子孫によって建立されました「土方歳三義豊之碑」です。
土方歳三の墓所を示す案内板が立てられており、場所はすぐ判ります。
カヤの木は樹齢400年以上と推定されると記載があります。
歩いて5分ほどのところにある、土方歳三資料館にも行ってみました。
土方歳三資料館は、東京都日野市にある私設の資料館です。新選組の副長である土方歳三の生家跡にあり、土方歳三の兄の子孫の方が運営しています。
「遺品を長く残すために、いったん運営方法を見直したい」という理由で、ただいま長期休館中(2022/12~)ということです。ファンには再開が待ち遠しいですね。
地図
万願寺一里塚
現在の甲州街道に近い道筋になる前は、「万願寺の渡し」が甲州街道の重要な渡しであったようです。「日野の渡し」を利用する道筋に変わり、万願寺の一里塚は街道から外れてしまったとのこと。
江戸日本橋から9里目の一里塚で、1600年頃に造られた。塚の直径は7~8m、高さは3m。
もとは街道をはさんで2基あったが、北側の1基は1968年に取り壊された。現在は、南側の1基のみが残されています。
日野市の指定史跡になっており、周辺は整備され、史跡公園となっている。公園内には、一里塚の説明板や、万願寺一里塚の石碑が設置されています。
今の甲州街道沿いにある一里塚は跡地に案内板だけが立っていることが多く、原形がないところがほとんどです。
甲州街道沿いにない一里塚だったので気になって見に来てみましたが、初期の甲州街道沿いにあったこの「万願寺の一里塚」の方が綺麗に残されていますね。
悠然としている雰囲気があります。
地図
日野散策まとめ
「日野宿本陣」は、ガイドの案内がありますので、本陣の歴史や建物について詳しく説明を聞くことができます。
門構えから建物の大きさ、式台付き玄関など、品格が漂っています。建物の内部も見学でき、しっかりとした構造と保存状態の良さが分かります。見ごたえのある施設でした。
私自身は、甲州街道の旅を通じて日野宿本陣に興味を持ちましたが、新選組との深いつながりも知ることができました。
もともと新選組に対する特別な興味はありませんでしたが「新選組のふるさと歴史館」を訪れ、「石田寺」や「資料館」などを散策することで、歴史のつながりや深さ、楽しさを改めて感じることができました。
幕末の激動の時代を生きた彼らの勇気と忠誠心は、今でも人々の心を魅了しています。日野市を訪れる際には、ぜひ新選組ゆかりのスポットを訪れ、彼らの歴史に触れてみてください。
「万願寺一里塚」に立ち寄って、江戸時代の旅人の足跡に思いを馳せました。
江戸時代の旅は、現在のように交通機関が発達しておらず、大変困難なものだったはずです。
一里塚は、旅人の安全と快適な旅を支える役割を果たしていたのだと思います。
現代では、一里塚の存在やその役割はあまり意識されることはありませんが、訪れることで、当時の旅の苦労や努力を感じることができます。
交通の便が整っている現代に生きる私たちは、その利便性に感謝しつつも、江戸時代の旅人たちの努力を思い起こすことが大切であると感じました。
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